MCC Duoとは
青木理恵と猪俣恭子のふたりのMCC(国際コーチング連盟マスター認定コーチ)による
- コーチングセッションと解説
- コーチングトーク
※ICF(International Coaching Federation)とは
米国・ワシントンDCに本部を置き、コーチングにおいて世界で最も信頼され、権威のある団体。
コーチング業界、ならびにコーチの社会的地位を確立することを目的に、1995年に設立され、グローバルに発展するコーチングの倫理とコンピテンシーを定めている。
ICFの認定資格は「コーチの倫理とコンピテンシー」に基づき、「世界的なコーチの基準を満たしている」と判断されたコーチにのみ与えられる資格。
世界各国において「コーチとして専門的な教育を受けたこと」の証明となっており、コーチの世界基準とされる。
目次
インタビュアー
1-MCC Duoって何?
MCC Duoができたきっかけ、活動に対しての思い、そしてそれぞれのコーチングとの出会い
現在、MCCの資格を持っているコーチは、日本では36名と聞いています。(※)
MCC Duoでは二人のコーチングセッションをライブで行った動画をのせてくれるとか。
また、ご自身がされたコーチングセッションの解説までされるそうですね。面白そう!
では、それを始めようと思ったきっかけは何ですか?
※MCC資格保有者情報(2020年3月現在)
世界中で、ICF認定コーチ資格保持者は27,328名。日本人の資格保持者は555名。
努力の甲斐あり、青木さんがMCCに合格された後のセッションで、青木さんがこう言ったんです。
「ずっと憧れていたMCCになったけど…。
私はMCCとしてこれからどのように貢献できるのかしら?」
って。
この問いがきっかけですね。
それで、いろんなことを思い出しました。
コーチングを学んだ2004年から今までの道のりを。
MCCに合格するまで長かったなあ、って。
いろいろな先輩コーチの後ろ姿を追いかけて、いつか…と思っていました。
私たちが学んでいたあの当時って、国内や海外のICFマスターコーチのコーチング・デモンストレーションを直接見る機会があって、それがとてもよかった。
マスターコーチって、あんなところまで聞きとるんだ。
ここでこんな質問をするんだ。
こんなふうにフィードバックするんだ。
…と。
優れたコーチがしていることをリスト化した「コーチのコアコンピテンシー」というものがありますが、まさにそのコンピテンシーを体現したものでした。
デモンストレーションを目の当たりにし、感動し、夢中でメモをとりました。
そして、そのメモがぼろぼろになるまで、何回も読み直したものです。
大切な箇所はノートに書き写したりもしました。
あの会場で感じたマスターコーチのコーチングの世界観をイメージしながら、コーチングに取りくんでいたものです。
それがコーチングのレベルアップに一番よかったかな。
私たちはラッキーだったと思います。
そうしたマスターコーチのセッションに直接ふれられて、コーチとして目ざす姿をイメージできましたからね。
でも、今はすっかり、そういう機会がなくなりました。
コーチングがもっと上手くなりたい…と思う人たちはたくさんいます。
でも、同時に迷っていると思うんです。
どうしたらコーチのコンピテンシーに書いてあるようなコーチングができるの?
って。
モデルになるコーチはたくさんいます。
でも、そのコーチたちのセッションを見られる機会は自分がクライアントにでもならない限り、ないですから。
「私たちのコーチングセッションを見ていただいて、そういう方たちの役に立てばいいね」と。
そう青木さんと話し合ったことが、このMCC Duoをやろうとした一番のきっかけです。
私は、コーチングが上手くなりたいと思った時、その素晴らしいコーチの密室を覗きたかったんです。
だけど、どこを調べてもわからなくて。
どうやったらなれるのかが、本当にわからなくって…。
MCCに近づきたいけれど近づけない、孤独な旅でした。
だから今回の企画によって、少しでもみなさんの力になれたらと思っています。
私たちのセッションが正解、ってわけじゃないんです。
でも、こういうこと(MCC Duo)をやることで、私もまたMCCとして、もっとパワフルなコーチになりたいと思っているんです。
MCC Duoのこだわりとして「セッションの解説もされる」とのことですが。
ごく自然に話しているように見えるセッションも、実はその裏側には、コーチの明確な意図があり、戦略が張り巡らされているんです。
セッションの解説については、そんな種明かしも含めてお話ししていきたいと思っています。
私たち二人による、コーチング談義もする予定です。
動画を見ている方が「コーチングって面白い」って思ってくれたら、嬉しいです。
ICFのコアコンピテンシー、つまり「国際コーチング連盟のコーチングの基準」は、私たちがセッションを行う時、常に意識して大切にしていることです。この動画では、世界基準のコーチングを知っていただくためにも、ICFのコアコンピテンシーをベースに進めていきます。
でも、気楽に楽しんでもらいたいですね。
動画をご覧になるみなさんが、コーチングを日々の生活やお仕事に活用することで、ご自身の人生が豊かになるよう、しなやかにシフトしていくイメージを重ね合わせていただけたら、と思います。
また、コーチを選ぶ時の参考にもしていただけるんじゃないかな?
おふたりがどんな世界を織りなすのか、いよいよ楽しみになってきました。
是非、失敗体験も聞きたいです。どうやって乗り越えてきたのかも。
2-コーチングとの出会い
何をやってもうまくいかず、毎日、泣いてばかりで。
その時たまたま、電車の吊り広告で『やる気を引き出すコーチングセミナー』という言葉を見かけました。
「何、これ?
やる気なんて引き出せるものなの?
それなら、今の私のやる気を引き出してみせて〜〜(泣)」
会場には、懐疑的な目つきのおじさんや、興味本位でやってきた私みたいな参加者が60名ほど。
私はだんだん、緊張してきてしまって。
ところが、にこやかに登場したコーチトゥエンティワン(現コーチ・エィ)の女性コーチが和やかに話しはじめ、ワークを進めていくと…。
まあ、おじさんたちが、変身していく、変身していく!
参加者している全員のやる気が高くなっていって、終わりの頃には「これから何をしていくか」が確実に決まっていったんです。
まるで、魔法か手品を見ているようでした。
私、たった90分でコーチングと恋に落ちたんです(笑)
そして、思いました。
『私、絶対このスキルがほしい』『一流のコーチになりたい。なるんだ!』って。
すると、その思いがおへそのところからグルグルと竜巻のようにうずまいて、頭のてっぺんまで出てきました。
まだ、コーチングのクラスを申し込んでもいないのにね!(笑)
もう、その後はコーチのトレーニングに苦しみもがきながらも、成長が嬉しくって楽しくって。
草原に放たれた馬のようにパカパカとどこまでも走っていきました。
社員とのコミュニケーションのとり方にすごく迷っていたんです。
その前は銀行で働いていたんですが、そこは「いかにうまく指導するか」のような、上下関係で成り立つコミュニケーションでした。
でも印刷会社の人間関係って、ひとつのチームというか、社長を中心にしたもっとフラットな感じだったんですよね。
どんなふうにコミュニケーションとったらいいものかと、そうとう戸惑いました。
社員がうちの会社でやりがいをもって働いてくれたら…と思っているけど、どうも肝心の関係が上手くいっていないなあ、と。
そこで、思いきって入社三年目の若手社員に聞いてみたんです。
私のコミュニケシーョンのとり方ってどう?
絶対怒らないから、本当のことを言ってくれる?
改善したほうがいいところがあれば改善するから!
と。
彼女は開口一番、こう言いました。
「猪俣さんの言っていることや、やっていることは正しいです」
これを聞いた時に、とっても安心しました。
ああよかった、私がやっていることは間違っていないんじゃないって。
しかし、間髪いれず彼女は「でも」と続け、「私たちのことをもっとわかってくれてもいいんじゃないですか」と。
これはショックでしたね。
同時に、やっぱりなぁと思いました。
「私は社員と信頼関係をつくることに失敗している」と直感で感じたんです。
彼女はとても大切なことを教えてくれたんですよ。
「人は正論だけじゃ動かない」っていう。
「何を言うかじゃなくて、誰が言うかが大切なんだ」って。
もう自分の何かを変えない限り、何も変わらない。
そんな時にビジネス雑誌で「コーチングでチームワークを改善」とか「リーダーシップを高める」という記事を見かけたんです。
これだ!
…と。
藁をもすがる思いで、コーチトゥエンティワン(現 コーチエィ)のコーチトレーニングプログラムを申し込んだ、それがきっかけです。
私はどちらかというと、メンター的な関わりのほうが得意だし好きだったから、コーチは向いていない、辞めようと随分長いこと思っていましたし。
コーチングの勘がつかめるまで、そうだなあ。
14年くらいかかったかも。
私の場合ですけれどもね。
そう、2018年ですからMCCに合格した年。
合格してはじめて「このコーチングの方向で大丈夫だぞ」とようやく確信が持てたように思います。
セッション時間数は2800時間くらいのところですね。
アドバイスされてじゃない、助けもらうのでもない、教えられるのでもない、自分の力で答えを見つける、創るということに価値をすごく感じていました。
本当の意味で自由な人って、そういうことができる人なんじゃないかな、って。
だから、そういうことを相手にもたらすことができる人になりたかったというのが、結局辞めなかった理由かな。
私はほんとうに野原に放たれた…楽しい、楽しいって。
辞めたいとか悩むことは一回もないですよ。
全然、違いますねえ。
プロセスが全然違うふたりが今、同じ場所にいて、何かをしようとしている。
素晴らしいものが生まれそうです。